日本の借金は世界一?「国の借金」に対するまちがった理解

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最近は多くのメディアや学者たちですら、「日本は世界最大の借金大国だ」「国民一人あたり数百万の借金がある」と主張しています。しかし多くの人にとってはそんな借金には身に覚えがないでしょう。そしてなぜ日本のような豊かな国が、借金まみれであるようにいわれているのか疑問に思っているのではないでしょうか。今回は日本の財政問題に関する誤解を解いていきたいと思います。

国の借金と政府の借金

 そもそも借金というからには、借りている人(債務者)と貸している人(債権者)がいるはずです。日本の場合、債務者は国債を発行している政府であり、債権者のほとんどは国債を購入している国内の投資家です(海外保有比率は8%ほど)。端的には、「債務者は日本政府、債権者は日本国民」ということになります。

 そもそも日本という国は世界最大のお金持ちの国です。GDPでは中国に追い抜かれて世界第三位に落ちました。GDPというのは一年間に国内で生み出される付加価値の合計のことです。しかし「対外純資産」という枠で見ると、日本は1991年以降23年連続で世界第一位であり、これは海外に保有している資産、債権の量が世界最大であるということです。つまり日本は未だに世界で一番お金持ちなのです。海外に借金をしているような国とは大きくちがいます。そのお金持ちの国の中で借金をしているのが日本政府なのです。

 「日本の借金」というといかにも私たち国民が借金を抱えているような気がしてきますが、実際には国民は政府にお金を貸している側なのです。小さな表現のちがいのようですが、「国の借金」と「政府の借金」の間には大きなちがいがあるため、分けて考えなければなりません。

借金のあおりは財政健全化のため

 しかしメディアは日本が世界一の借金国であるような報道をし、政府も財政をなんとか健全化すると世界各国に頭を下げています。この影響で日本の国民は「日本の借金はそんなにやばいのか!」というイメージを持ってしまっています。

 このようにメディアや政府が報道するのは、日本を借金国であるように見せることで「増税はしかたないのだ」という世論を形成していくためです。国民は子どもや孫などの将来世代にツケを回さないために、「今増税するのはしょうがないのか」と増税を受け入れるようになっていきます。財政健全化の努力をしなければならないのは政府であるのに、その負担が国民に回されてしまっているのです。

 もともと政府の借金は大きく増加していかないように「赤字国債の発行禁止」という制度的なブレーキがありました。しかしバブル崩壊後は政府の財政が悪化し、毎年「特例法」をつくって赤字国債を増やし続けています。いくら日本が世界一お金持ちの国だといっても、このまま政府が赤字を増やし続ければ国民の資産が削られ続けることになり、国民の負担は増えていく一方になるでしょう。

 ギリシャのように国家が破綻することは、債権者が国民である現代の日本では考えられません。しかし政府の借金問題によって緊縮財政が継続されていくと、国内でお金が回らなくなり、企業や国民は貧困化し、インフラや医療、介護といった分野にも影響が出て、日本全体が疲弊していく、というシナリオに陥る可能性は充分あるのです。このようなことを避けるためにも、日本の借金問題について、少しでも多くの人が正しく理解することが大切です。

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住田 雅雪ビジネスコーディネーター

投稿者プロフィール

徳島県出身。43歳。
26歳の時にアパレル事業で起業し、年商10億円まで会社を成長させ、その後会社を大手企業に売却。
現在は当時のコネクションを活かしてビジネスコーディネーターとして活動。

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